和歌山のニッターさんを取材していると、工場にそれぞれキャラクターがあって、その個性が生地にも編み込まれているように感じます。一つとして同じものはなく、編み立てられるニットもすべて違う。大量生産された生地と異なり、どこかレトロで、それぞれに表情がある。眞生産業の「笑っfull」を見たときも、なるほどなと納得しました。
「ワッフルにしたのは、やるならパッと見て違うものにしたかったんですよ」と話すのは代表の山本勝誠さん。今回、使われたのは1970年代に製造された旧式のダブル編み機(ヒグチのウィル機)。古いマシンだけあって、季節で機械の状態が変わり、その都度調整をしながら丁寧にゆっくりと編み立てていく必要があるんだとか。ワッフルといえば普通、両面に凹凸がありますが、こちらは編み機の「カム」部分を調整して生み出される“ハーフワッフル”と名付けられたニッティング。表がワッフルで裏はテレコ地になっており、肌に接する部分の目が細かく、ワッフルよりも高いフィット感を実現しているのが特徴です。
「ストレッチ性があって動きやすいのでTシャツにはぴったりな生地だと思います。普通のワッフルだと柔らかくなりますが、ハーフにすることで、ハリが出てヘタりにくい。伸縮性もあり、体型もカバーしてくれると思いますよ(笑)」としたり顔の山本さん。素材にはインド産オーガニックコットンが使われ、風合いも抜群。着ると自然と笑みが溢れる、そんなTシャツをお探しの方に!