ネオンスクリプトはテキスタイルメーカー新内外綿が製造する一風変わった糸です。同社は約50年前、国内初となるグレー杢糸「GR7」を開発し、現在も日本におけるグレーの基準となっています。
そんな「GR7」に蛍光色を加えたのがネオンスクリプトです。杢糸にわずか3%のカラーポリエステルを混紡することで、編み立て時、手で描いたようなラインがランダムに現れます。さらに綿染料でオーバーダイするとポリエステル部分が染まらず浮かびあがり、抽象画のごとく深みがある模様を生み出します。風神莫大小は、黄色のネオンスクリプトを黒く染めることで、薄暗い闇夜に差し込む月光を表現しました。
Begin Marketでは過去にネオンスクリプトを使ったアイテムを紹介しているので、ここまではご存じの方もいらっしゃると思います。じつは今回、風神莫大小にしかできない技術が駆使されています。
「ネオンスプリクトは糸が細いので生地に厚みが出ないんです。でもうちはヘビーウェイトが持ち味。肉感を表現するため、通常1本の表糸を2本にして、裏には3本の糸をより合わせた“三子撚り”を使い鬼裏毛のボリュームに近づけました、これを編めるところはそうないと思います」と自信をのぞかせる代表の風神昌哉さん。
ループの長い鬼裏毛は袖を通すと柔らかな風合いで、程よい重さが体に馴染みます。和歌山大莫小だから生まれた肉厚ネオンスプリクトスウェット、名付けて「厚切りムーンライト」。昼と夜で(周りの明るさや光によって)、色の見え方が変わるのも面白く、普通の黒では満足できないという方に自信を持ってオススメします。